狼と香辛料 (2) (電撃文庫)(電撃文庫 支倉凍砂)

狼と香辛料 (2) (電撃文庫)
商人ロレンスと狼神ホロが金儲けをする話の2巻。
1巻が面白かったから期待してたけど、それを遥かに上回る出来でした。
読むのが止まらなくなった小説は久しぶりかも。
1巻はホロの魅力に助けられていた面が大きく、ストーリーに関してはそれほど突出したものを感じなかったけど、今回のはストーリーも素晴らしかったです。
話が本格的に動き出す前の三章の中盤ぐらいまでは1巻と同じような手ごたえだったけど、それ以降はとにかく手に汗を握る緊迫した展開で、続きが気になって本当に読むのが止まりませんでした。
なかでも、ロレンスが窮地に陥ったときのお先真っ暗感はすさまじいものがありましたよ。
そこまで派手な描写ではなかったんだけど、引き込ませる力がものすごかったです。
(ネタバレあります:でもって、緊迫した展開のあとには、きっちり爽快感のあるシーンを持ってくるのもいいですね。ホロの大暴れや、最後のロレンスとレメリオの取引なんかではスカッっとする演出で、読んでいて気持ちよかったです。ロレンスだけでなくノーラにとってもちゃんとハッピーエンドになってるあたりも、好きな感じのさわやかな結末でよかったし。
素晴らしかったのはストーリーだけでなく、もちろんホロの魅力も健在でしたよ。
1巻と比べて全体的にホロとロレンスの距離が縮まってる感じで悶え度がさらに上がってました。
なかでも帯の「ぬしは・・・なんでそんなにお人よしなんじゃ」って台詞。
まさかあんな場面であんな使い方をされるとは想像もしてませんでしたよ。
(ネタバレあります:てっきりロレンスが騙されるあたりでサラッと使われるのかと思ってた。まさか、あそこまでシリアスなシーンで意味深に使われるとは。
そこまでの流れもあって、半端じゃない破壊力でした。
目次のイラストも凶悪さも手伝って、とにかくホロはヤバイです。