天涯少女・シノ―狗狼伝承 (富士見ファンタジア文庫)(富士見ファンタジア文庫 新城カズマ)

天涯少女・シノ―狗狼伝承 (富士見ファンタジア文庫)
ついに到達した最終巻。
前の巻から感じてたけどなんか微妙、期待してた内容と少しずれがありました。
個人的には、謎の存在である時念者と狗狼の謎や、裏で暗躍する勢力の権謀術数を期待してたんだけど、実際には大人と子供といった概念や内面的な描写に重きが置かれてたわけです。
謎はそれほど意外性のあるものではなかったし、暗躍する勢力なんて散々もったいぶってたわりには、いざ表に出てくるとあっけなさすぎたしなあ。
シリーズ中盤までは期待していた要素が強くて面白かったので終盤の畳み込みにも期待してたんだけど、これはちょっと残念でした。


あとは今巻のみの感想について少々。
最初の決勝戦は絵的に綺麗なシーンだと思ったし、中盤ぐらいから展開されてたSFっぽい内容の部分はなかなかに壮大な感じで面白かったけど、そこまでに至るまでの展開が強引というか何でもありになってたのが気になったなあ。
さらに書くと、ストーリーの根幹に関わっているとはいえ半ゲスト的な扱いだと思ってた理生やマルセルにスポットが当たりすぎてるのもイマイチ。
上でも書いたけど周防や黒幕達の行動がもっと読みたかったです。
あとは、面白かった根本部分が揺らいでくると、前から気になってた回想台詞の多さや場面転換の多さによるぶった切り感が気になって仕方なかったり。