緋の剣は誰がために―マグナ・スペクトラ (富士見ファンタジア文庫)(富士見ファンタジア文庫 秋田みやび)

緋の剣は誰がために―マグナ・スペクトラ (富士見ファンタジア文庫)
いわゆる富士見的ファンタジーではなく、地に足の着いた正統派ファンタジー
原作はマグナ・スペクトラというカードゲームらしいけど、まったく知らない人でもこれ単体で十分楽しめる。
ストーリーは、育った村から出たことがない青年セレストが姉のスーザと旅に出て、テュシアやラーゴゥと出会ったり、自分の村以外の世界を見たりしながら成長していく、といった具合でこの部分だけだと王道的な感じだけど、中盤から終盤の展開はなかなかやっちゃってくれてます。
その上、どのキャラも考えや主張がはっきりしていて、主人公側の人物だけでなく敵側の人物もしっかりと描かれているので、よりストーリーが盛り上がるわけです。
で、個々のキャラだけでなくキャラ同士の絡みもよくて、セレストとスーザの姉弟ならではの遠慮のない会話は面白いし、テュシアとラーゴゥの親子関係も微笑ましかった。
そんなわけで、基本設定がよく出来ていてストーリーも気になる終わり方してるので当然この続きが読みたいので、売り上げ不振での打ち切りが本気で心配なところ。
お世辞にも最近の売れ線の作品とは言いにくいからなあ。


余談だけど、この作品ってモンコレの六門世界が舞台なんですね。
遺跡がある柊庭園が「柊(ホーリィ)」なのは手記の人と関係あるのかなあ、と適当なことを言ってみる。
モンコレは一時期カードゲームをしていただけで小説は未読なので、詳しいことはわからんけど。