ラストリーフの伝説 (ソノラマ文庫)(ソノラマ文庫 秋山完)

SFっぽいものを読みたいと思ってたときに発見、あらすじに書いてあった「リリカルSFファンタジー」という得体の知れない単語が気になったので購入。
あまりにも気になったので調べたら、リリカルってgoo辞書によると「抒情的・抒情詩的であるさま」なんていう意味で、しかもlyricalという英単語だったんですね。
てっきりファンシーな感じを出すための意味のない造語かと思ってた。


で、肝心の内容は惑星ラストリーフの一般人である羊飼いアイルが帝星から来た少女フェンを助ける場面から始まり、その後も二人で平和に暮らしていたら大きな事件が起こって・・・という具合。
香りの使い方がなんでもありのご都合主義的な感じも多少したけど、ストーリー自体はちゃんとまとまっていて、言われてみれば確かにリリカルな気がしないでもない。
主人公のアイルが特別な能力があったり、人と違う思考だったりというわけでなく徹底的に一般人だったのが、この手の話としては珍しいように感じた。
中盤なんかはアイルが一般人と同じ行動をとっていて驚いたりもした。
そんな感じでアイルが普通な分、特異な存在であるフェンの存在が印象的だったわけですが。


ちなみに、この作者の作品はすべて一つの時間軸上の物語になっているという、自分のツボを突く構成になっているらしい。
ぜひとも全部読んでみたいけど絶版なのが多々あるのが困る。
とりあえず買える物を買っておいて、残りは古本捜索リストに追加という方針で。