刃を砕く復讐者〈下〉―封仙娘娘追宝録〈9〉 (富士見ファンタジア文庫)(富士見ファンタジア文庫 ろくごまるに)

刃を砕く復讐者〈下〉―封仙娘娘追宝録〈9〉 (富士見ファンタジア文庫)
上巻がものすごく先の気になる終わり方をして、そのまま5年ほど出ていなかった下巻。
自分の場合は近所に売ってなかったせいで、通販到着までの数日待たされただけだけど。
新刊が出なかった理由はよくわからんけど、数年間のブランクを感じさせない面白さだった。
なんといっても、話のひっくり返し方が壮絶でとんでもない展開になってるわけです。
上巻の時点より更に続きが気になる展開になってしまってるじゃないですか。
この状態で数年間おあずけなんて勘弁してください。


(以下、ネタバレありなので反転)

終わり方が強烈過ぎて、途中の細かい感想なんか全部飛んでしまいましたよ。
上巻で張っていた鏡閃の企み、突如再登場の村長代理、龍華と和穂の再開といった伏線がまったく回収される気配がないので、どう回収されるのか残りページ数を気にしつつ読み進めてたらいきなりあの終わり方なわけで、読み終わったあと完全に硬直してしまったわけで。
その上、あとがきは本編の内容にまったく触れずにいつものノリなもんで、余計に「何これ?」感が強まったわけです。
いっそのことここで全伏線を放棄して終了してたら、伝説に残る作品になってただろうなあ。
とりあえず帯が「伝説復活」になってるから、いつ出るかは別として以下続刊らしいけど、この先どうなるのか本気で気になる。
気になることは色々とあるけど、一番気になるのが深霜と導果先生の短編集との設定の違いなわけです。
最初は短編前の話だからかと思ったけど流れ的にそれはなさそうなんで、上巻での龍華の混沌関係の伏線と絡んできて、物語の根幹を揺るがすような派手なひっくり返し方になりそう。
なんにしても、この作者の場合は予想が付くような単純な展開にはならないだろうから、次の巻以降が激しく楽しみ。