夢の涯―封仙娘娘追宝録・奮闘編〈4〉 (富士見ファンタジア文庫)(富士見ファンタジア文庫 ろくごまるに)
宝仙シリーズ短編集4巻。
これまでと同じで、宝貝の設定や解決法がよく考えられていて、各話それぞれで楽しめる作品。
特に表題作の「夢の涯」は和穂と殷雷の魅力あふれる傑作だった。
そんな面白い短編集なので、4巻で終わりというのが寂しいわけです。
未収録作品が結構あるらしいから、5巻を出してくれないかなあ。
(以下、反転でネタバレありで各話の感想)
<暁三姉妹密室盗難事件顛末>
導果も胡散臭くて好きなキャラだけど、3姉妹もいい感じに歪んでて面白かった。<夢の涯>
感動的な話がくるとは思わなかったので、完全に不意を突かれた。
終盤の和穂の前向きなセリフや行動が全体的によかったけど、「あなたと歩んでみる人生もよさそうだ」で完全にノックアウト。<西の狼、東の虎>
オチがありがちだったかな。
たまにはこういうのもいいと思うけど。<雷たちの饗宴>
最初は「殷雷剣」てのが誤植かと思った。
以前のパラレルワールドの話で出てきた氷の瞳の和穂が登場するなんて芸が細かい。
仙人に戻った和穂ってオチも、温かい読後感で好きだなあ。<刀鍛冶、真淵氏の勝利>
読み終わって一息つくまでタイトルの意味がわからなかったけど、わかってしまうとものすごく納得。
複雑な事件でどう解決するのか気になりながら読んでたけど、あまりに馬鹿馬鹿しいオチで妙に感心してしまった。