BLACK BLOOD BROTHERS S〈2〉ブラック・ブラッド・ブラザーズ短編集 (富士見ファンタジア文庫)(富士見ファンタジア文庫 あざの耕平)

BLACK BLOOD BROTHERS S〈2〉ブラック・ブラッド・ブラザーズ短編集 (富士見ファンタジア文庫)
本編は大変なことになってるBBBの短編集。
今回の短編集はその"大変なこと"になる前の話なわけで、フルメタという前例があるだけに素直に楽しめるか心配だったけど、とくに問題もなく普通に楽しめました。
まあBBBの方はミミコの状況が変わっただけで、周囲の状況にはそれほど変化はないし、まして作品の基本設定事態が覆ったりはしてないですからね。
とまあそんなわけで、作者があとがきで触れている通りバラエティに富んだ短編集で面白かったです。

  • ランナウェイ:妙な話だと思ったらこんなオチですかい。最初のカラーイラストでもちゃんと設定が考慮されてるあたりは芸が細かい。
  • 聖夜と金貨と〜:やっぱ後半のミミコとジローの会話に尽きますね。お約束的なオチと内容が気になりまくるインターミッションも好きだなあ。
  • ネズミ:短編なのにジローがシリアスしててびっくり。燃える展開には定評のあるあざの氏だけど、こういう渋い話も巧いっすねえ。
  • 外牙:また魅力的なキャラが増えちゃってるよ。それにしても刀同士の切りあいはいいですよね。かなり短かったのが残念です。今後本編に再登場して、また切りあってことを期待しときますか。
  • 少年王:ここまでシリアスな話できてたのに、一気に空気の違う話になってますね。セイの一挙手一投足に戸惑うミミコが面白すぎですよ。イラストも力もあって爆笑です。
  • TONIGHT:なんかコメントに困る回。とりあえず、アダルティだなあ、としか。
  • 古城の一夜:書き下ろしの過去話。同じく過去話だった本編4巻もそうだったけど、実際の歴史上の事件とリンクしてるって作りが面白いです。本筋のジロー・アリス・カーサの三角関係については、カーサからアリスへの想いがすこし弱く感じたかな。このあたりは本編で補強されるのかもしれないけど。
  • あとがき:最初のページの塊、ページをめくって目に入ったときは、そこまでの流れもあってカーサのネジが外れた描写なのかと思ってしまった。ほら、成田良悟とかよくやるじゃないですか。