伝説の勇者の伝説10 孤軍奮闘の王様 (富士見ファンタジア文庫)（富士見ファンタジア文庫 鏡貴也）

惜しい、あまりにも惜しすぎる。
伏線に絡むシリアスな場面は面白すぎるのに、中途半端に入るコメディパートが面白くないせいで損しまくってる気がする。
平穏な日常ってのをアピールしてるんだろうけど、いかんせん読んでて面白くないのでどうしようもないです。
今巻は最初のライナの謎に迫る場面は盛り上がりまくりのスゴイ出来だったのに、途中から短編的な内容のない会話が繰り返される展開になってしまって、続きが気になるあまりイライラすらしてきてしまったからなあ。
そのくせ最後の締めには、伏線がらみの続きが気になりまくる話が展開されるから性質が悪いです。
中盤の内容のない短編的な部分を書くリソースを、メインの伏線がらみの話を書くのに費やしてくれればどれだけ嬉しいことか。
短編集はいいから早く次の巻を出してくだされ。
明かされた謎が次の謎を呼ぶ理想的な展開なんで、続きが気になって仕方ないのです。

それにしても、伝勇伝って本筋のシナリオは文句なく面白いのに、短編的な軽い内容の部分やワンパターン会話なんかで損してる作品な気がするなあ。
このあたりとページが白いなんてマイナスイメージだけで敬遠してる人多そうだし。
内容のない会話はどうしようもないからスルー推奨だけど、改行大盛りによる白さってのはこれはこれでアリだと思うんだけどなあ。
ものすごい速さでページをめくれるのが疾走感につながるというかなんというか。
今巻でいうと、最初のライナパートなんて話の盛り上がりもあって、かなり気持ちよく読めたんですが。
あと、作中で過労ネタが散々使われてたけど、とにかく書くまくってるイメージのある作者自身を連想してしまってあまりよろしくないなあ。
ここまで風呂敷広げて盛り上がってて「あと1巻でひと段落宣言」までしてる状況で作者が倒れたとか洒落にならんぞ。